[自分の名を呼ぶ聲にこくりと頷いて、少女もまた腕を伸ばして良いのかどうか悩みに悩みながら、祈る様に胸もとで両手を握ったまま、純黒の彼を見つめる。]うん、見える。わたしを迎えにきた腕が見える。うん、聴こえる。ずっと待ってた聲がようやく聴こえた。貴方は――、誰?わたしを、迎えに、来て くれたの?