[どれくらい、そうしてぼんやりと空を仰いでいたのだろうか。
ふと気がつくと、地上には似つかわしくない清浄な気配がこちらへと近づいてきていた>>3:+41>>3:+42]
……天使、でしょうか。
このような場所を彷徨っているとは珍しい。
[地上において、神聖なものの気配ほど、異質で感知しやすい物もなかなかない。
つい、と視線をそちらに流して、どうしようかと思案する。
天界でそうしていたように、天使と偽って欺くか。
それとも、魔性として彼らと向かい合うべきか。
――どちらがより面白く、より大きな混沌を生むのだろうか]