― ???・本国へ護送途中 ―
なるほど。そういう事になってるのか。
ま、たしかに。自分たちから「よくも大公と王太子暗殺したなー」って戦争吹っかけておきながら、いまさら「あれ間違いでしたすいません」なんていえねーよな。
[両手を拘束され、鉄格子で囲まれた馬車で護送されながら。自分の罪状>>5を伝え聞けば、クッと笑いを零した]
『笑い事じゃないよ、もうっ! 何でバレちゃったのさ』
[すぐ隣の鉄格子に入れられている、ニコラスが文句を言うが。それは聞き流した]
『だいたい、キミの技量ならこれくらいの手錠も檻も、簡単に出られるだろ。なんでおとなしくつかまってるんだい』
ま、犯した罪は罪だしー。仕方ないだろ。
[ニコラスの言うとおり、逃げようと思えばいつだって逃げられる。
けれど、逃げてどうなるというのか。
己の望みである『平穏なシュヴァルベ』をいつかトールやほかの誰かが再建したとしても、そこに自分の居場所はないというのに]