[再び、黒い狼の方に向き直る。][咆哮が、悲しい。本能が勝っているはずなのに、悲しさと理性がどうにもできなかったやるせなさ。何を言っているのかはっきりとはわからないけど、悲しい、寂しい、辛い。そんな声に感じた。そして――ディーターが、絶命する。](これで、どちらが殺めても、背負うのは独り…になっちゃった。)[右手の『業』は、痛いほど、疼く。]