― 第四エリア 通路 ―
「あぁ、見えている」
[その返答に私は安堵で胸を撫で下ろした。]
よかったあ…!
私、本当に不安で、怖くて。
誰にも私の声は届かないみたいですし、見えないみたいで、
もしかして私達だけ変になったのかと不安になっていたんです。
[セルウィンも同じ存在になったのは知っていたけど、
それ以外に誰も同じ存在を見かけていなかった不安を
そう吐露していると青年が続けた言葉に私はまた驚く]
へ? 生きている時にってどういう……。
アンタも?って、え、じゃあ貴方は幽霊?
や、やっぱり私はあの時殺されて……?
[背筋をざらりと撫でられたかのような衝撃に思わず声が上擦る。
死者であることを仄めかす感情の乏しい口調と、
自分が何処に居たのかが曖昧な様子は
たしかに幽霊と言われても納得が出来る気がした。]