[気を緩めたことで睡魔が襲ってきたことまでは覚えている。目覚めれば香草茶の香り漂う安らぎの空間に舞い戻るはずだったのに、私は霧が漂う空間に一人佇んでいた] ………ーク…?[掠れた声が呼びかけの音を作り為す。私は心細さを覚えながら不安げに辺りを見回した] どこなの、ここ…。[見回すたびに長い髪が揺れる。小刻みに揺れる毛先にも不安が滲み出ているかのようだった*]