[駆けだす。
ひらりと一息に位置を変え、蛇の正面へと躍り出る。
“生きて”いたときは重く視界も定まらなかった体は、久々にマトモに動きそうだ。
感覚が異なる分、慣れるには少々時間がかかりそうではあるが、さて――…
蛇はしゅるりと鎌首を擡げ、
その巨大な咢を開き、此方へとまっしぐらに向かい来る。
動き自体は速くはない、
たむ、と再び床を蹴り(あるいは、床に実際には触れえぬなら、それを模した動きとなっているのだろうか)、
ひらりと後方に飛び退り、軽々と初撃を躱す。
けれど、飛び散った毒液をすべて躱しえたかは、87(100x1)]