─3日目・AM9:00・救護室─
……ん、……ここ、は……
[漸く浮上した意識の中ぼんやりと白い天井を見上げる。誰かに助けられたことだけは覚えているが、その後どうなったかを思い出せない。
しかし、“甘ちゃん”は“甘ちゃん”のままだったことだけが事実として残った。蝶よ花よと愛でられ、秀才だと謳われた己が実際は平々凡々な存在だったのだということを突きつけられてしまったのだ]
………はは、…格好悪いな、僕。
[渇いた唇の隙間から声を零し、悔しさに滲んだ涙を拭うように乱暴に目元を擦り気怠い身体を起こした]