[先頭で突っ込んでいたが故に受けていた傷の癒しが終わったところで、癒者に礼を告げると『言霊石』に唇を寄せ囁きかけるは神官長へ。
任命時の彼の人の口ぶりから、翼毒蛇を勇者たちのスパルタにあてようとしているというのは透けて見えていたから、伝える言は以下]
ルートヴィヒ様、聞こえますか?
おそらくですが、翼毒蛇の生息地の近くにいます。
これから本当に翼毒蛇かどうかの確認に参ります。
翼毒蛇であったなら、翼毒蛇自体はそのままに。
周りにそれ以外の厄介なものがあれば排除
――…それでよろしいか?
[今まで駆除できなかった翼毒蛇を彼らに討伐させようなどと、どんな無茶だ、と思う心はある。
しかし、逆を言えば翼毒蛇を駆除できないような勇者なら、この世界を救うことはできないのだろう。
けれど、やはり突貫ではあるのは否めなければ、翼毒蛇とだけ対峙できるように場を整えるのが自分たちの役目だろう]