─ 南の入江 ─[女を飲み込んだ波は、不可思議な引き方をしていった。潮の流れも解らず、まるでどこかに落ちていくような感覚の中、溺れぬようにと流れに逆らわず息を凝らして泳ぎ。そろそろ限界という所で、突然排除されるような感覚を身に受けて]っは…![気が付くと、見覚えの無い砂浜、波打ち際に座り込んでいた]