― 回想 ―
[双子は魔のことを"先生"と呼んだが、魔にとっても双子は新しい物事を持ち込んでくる存在だった。
誕生日>>1!9、という概念を教えたのもこの双子だ。]
おまえたちが生まれた日?
───なぜそれを聞く?
[曰く、誕生日には美味しいものを食べてお祝いするんだとか、プレゼントたくさんもらえるんだとか、どこぞの本で読んだのだろうことを口々に言ってきゃあきゃあと騒ぐ。
くだらないとは思ったが、双子が飛びあがるほどに喜ぶさまはなかなか面白かったので、毎年の、夜が最も長くなる日を誕生日と決めて、些細なものをくれてやっていた。]