…OO。
君がどういう経緯で今回の任務に当たったのかは知らない。
私は。
私は、今の今まで、軍が島を舞台に大規模な生態実験をしたと伝えられてここへ来たのだ。
「愚かな軍は慈悲も何もない、罪なき島の人々を相手に実験を繰り返し、それが上手くいかなくなれば島ごと見捨てた。」
局の人間にそう聞いてここへ、やってきた。
だが現実は違った。診療所のファイルを見せてもらってようやく解った。軍は確かに島の人々と生きていたし、診療所は島の希望だった。伝染病や耐性菌の発生は事故だった。最後まで島と共に生きた軍医達が確かにいた。
そうさ。愚かなのは私の方だったのだ。